モブ沢工房

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Ubuntu 18.04における液晶タブレットXP-Pen Artist 15.6の対応状況

Cintiq 13HDをいちいち持ち運ぶのに疲れ、実家用に買ってしまいました。

XP-Pen社の液晶ペンタブレット*1 Artist 15.6ですが、Ubuntu 18.04であれば挿しただけで使えます*2

ただし…

「そのままでは」xsetwacomコマンドが効かない(対応デバイスとならない) libinput支配下のデバイスとなるので、ディスプレイのマップやキャリブレーションなどはxinputコマンドから行うことになります。

しかしですね。

キャリブレーションまではわかりましたが、どうしてもxinputコマンドからの筆圧調整の方法が分からなかったのです。

Artist 15.6は筆圧8192レベルを謳ってますが実際そんなにもレベルはいらないし、なにより8192レベルであるために(自分としては)非常に強く押さないとMAXにならないという。多少、筆圧レベルを犠牲にしても、もっと弱い筆圧でMAXになってもらいたい所…

んで通常はGIMPにしろKritaにしろMypaintにしろ、ソフトの側でそれぞれに筆圧調整が出来るのですが…

ワタクシ板タブと液タブを兼用しているので、そういうアプリケーション側の設定であれば、デバイス感知型でないと意味がないのでした。 そしてデバイス感知型の筆圧調整はGIMPのみ、というね…まぁそこでMyPaintを改造してみましたがそれもなんだかな、という感じでして。

xsetwacom対応化

ワタクシ、こうなったらxsetwacomに対応させてやろうじゃねえかと突如意気込んで色々ソースを拾って読み始めたのですが…

どうも何かがおかしい。 例えばHuionのH610Proなんかはxf86-input-wacomには影も形もないのにxsetwacomでは対応デバイスになっている。

そこでワタクシ意を決し、/usr/share/X11/xorg.conf.dに、以下の99-my-artist.confなるファイルを作成してXを再起動してみたのです。

Section "InputClass"
        Identifier "Artist 15.6"
        MatchProduct "XP-PEN ARTIST"
        MatchDevicePath "/dev/input/event*"
        Driver "wacom"
EndSection

そしたらなんと!

普通にxsetwacom --listでArtist 15.6が表示されるじゃないすかあああああああああああああっ!!

もちろん筆圧感知や調整(PressureCurve)なども普通に動きました(^^)

Artist 15.6の色調整について

あと画面の色ですが、xgammaなどでも一応赤っぽくは出来ますが、階調が犠牲になっているような嫌な雰囲気を感じるのでやっぱりハードウェアでの調整とは違うようですね。

それで最初の青っぽいままで使用していたのですが…

んでふと動作確認のためにWindows10に差し込んでドライバ適用して *3 色調整したんですよ。

そうしたらどうも、Artist15.6がそれを本体内に覚えているっぽい?らしくて、 Ubuntuでも、なんか以前は青っぽかった画面色がほどよく赤くなっているのですね。気のせいかもですが

まぁこの色については、気のせいかもしれませんが、一応。

バイスとしてのArtist 15.6の手短レビュー

  • 悪くはないが、やはりCinitiq 13HDと比べると反応が悪い。特に画面外周部で顕著
    • そのため、アナログ的なダイレクト感が一寸劣る。
    • スペック上はArtist15.6のほうが僅かに上の筈だけど…
  • ペンが二本も付属してきた!
    • どうも片方は旧式のようだけど、細くていい感じで好み。
  • しかし、ペンのサイドボタン上がボタンとして使えない
    • Windowsでは使える…ただしキーボード的に?
    • MyPaintでスタイラスの動きと組み合わせた高速拡大縮小に使っているので、かなり困る。
      • まぁ左手デバイスに割り振れば問題ないのだけど。
  • 物理的定規を使った所、平行・垂直、45度では問題がないが、「浅い角度の斜め」で線を引くとジッター的にブレる
    • これはxsetwacom(wacomドライバ化)をした所、改善した気がする…?
  • 視差は調整すればさほど悪くない。Cintiq 13HDと余り変わらない。
    • ただし、前述のように反応が若干遅いので少しイラッとする時がある。
  • 結論としては、比較しなければかなり満足できるが、ワコム旧製品からの乗り換えは全くお勧めしない。
    • 何度も言うが値段を考えると中々悪くない。自分的には真・液タブと板タブの中間の存在的印象。

まぁ買ってみて良かったら15.6をメインにするという事も考えていましたが、結局自宅で使ってるのはこっちのCintiqでした。 なお、画面サイズの差はそれほど感じませんでした。

*1:余談ですが液タブのことを英語ではScreen tabletというっぽいですね

*2:ubuntu 16.04でも、HWEをアップデートすれば16.04.4であれば動作します

*3: これが何故かうまく行かず、大変に四苦八苦。最近はWindowsのほうが色々難しいですな(´・ω・`)